有限会社 丸正建設

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新潟風土記

新潟風土記

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2014.06.23

「 WOOD JOB! 」

先日ですが、矢口史靖監督の林業を題材した映画を見てきました。
内容は都会に住む若者が林業の世界に足を踏み入れていく映画で、矢口監督らしく林業の仕事がわかりやすく、そしてユーモアや恋を交えながら描かれていてとても感心しました。

林業を含む農業や漁業といった私たちの生活の基盤となる第一次産業はとても大事な産業ですよね。普段、台風や大雨で作物が被害にあったとか、マグロが不漁の一方サンマが大漁だったりなど農業や漁業に関するニュースはよく耳にします。もちろん生活に密着した事柄で多くの方の関心を寄せることですからよく分ります。長い期間で行われている林業は私の知る限りでは年に2~3回くらいしかニュースにならないようです。NHKのクローズアップ現代で最近取りあげられていたことは記憶に新しいです。

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これだけ木造住宅が建てられている昨今。国産材の普及率は3割です。国の面積の2/3が森林で覆われていて大変豊かな資源を持つ国です。森林の国の面積に占める割合でいうとフィンランド、スウェーデンに続き第3位です。しかもほかの国は木材の自給自足ができています。要因は戦後自由貿易により関税がかからないため、安く、大量に輸入できたことだけでなく、私は日本の林業は産業として品質や流通においておくれていることもあると思います。人口9000万ほどのドイツは森林面積は日本とほぼ同じです。しかし、生産量は日本の4~5倍あります。何故なら、ドイツは国として林業を立派な産業としています。ドイツというと車の産業が盛んというイメージがありますが、林業に携わる人のほうが多いですし、森林を管理するフォレスターと呼ばれる方は日本の医者並みの地位を持つといわれています。林道の整備や管理、木が植林しなくても生えやすいなど環境と取組みの差が大きいのです。

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豊かな森林という資源を持つ日本。ほかの農産物とは違い、国内で十分な供給量はあります。三陸の牡蠣の漁師の仕事に山の手入れがあります。山が豊かでないと海も豊かになれません。建築関係者より、漁師の方が山の大切さを知っているのではないでしょうか?
映画の中で林業の社長が「今している仕事の結果は次の代になって分かる」といったニュアンスのセリフがありました。危険と背中合わせになっている職人さんに、会社にお金が回るようにまずは、国産材を使うことが当たり前になってほしいのです。今の木造住宅は出来上がるとほとんど木が見えません。石膏ボードの覆われてしまい木の良さも生かされていないことも悲しいです。家をすでに建てた方はどのような木を使われているかご存知でしょうか?近くで工事している家があったらそれは、国産材でしょうか?もしそうでなっかたらなぜ使わないのか、使われなかったのか聞いてみましょう?集成材の方が強いとか、米松の方が強いとか、国産材はばらつきがあるとか言われるかもしれません。でもそれは明らかに彼らは勉強不足です。金額は等級にもよりますが高くはなります。でも、おおよ1割程度のアップです。あとから入れ替えのできる設備を少しおとして木材の方にまわせないものでしょうか?

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この映画を通して少しでも林業に、日本の木について関心が広がってくれればいいなと感じています。