先週末は弥彦とリュートピアの桜を家族で見に行きました。
少し肌寒く、実は花見はこの寒いのが嫌なのです。
さて先日ですが、私の記憶にも新しい東京の成城にある猪股邸を訪れました。
旧猪俣邸 昭和42年8月竣工(1967年)
敷地面積 1861㎡ 延べ床面積 371㎡
木造平屋建て、一部RC造
設計 吉田 五十八
(財)労務行政研究所の理事長を勤めた故・猪股健夫妻の邸宅です。
玄関からホールそして、居間にはいるとまず庭に面した大きな開口部が目に入ります。
これは違う部屋ですが、建具(雨戸、ガラス戸、障子戸、網戸)は全て引き込み戸となっています。
深い軒が部屋と共に連続しています。
ガラス戸はこんな感じです。
数寄屋つくりのすっきりとした床の間。
天井の照明も少し埋め込んであったりと少し納まりも工夫しています。
和室の収納はこんな感じ。
水屋がありまして、その天井です。
水屋でよくみる独特な窓の取り方。
少し薄暗い和室。
渡り廊下をとおして続く部屋には茶室があります。
枠の納まりなんかも斜めにしてあったりと随所にデザインが見受けられます。
南側に広がる日本庭園を少し囲むように配置してある建物です。
武家屋敷風の趣もあり、広さや高さはゆったりと作ってあります。
日本建築の醍醐味を感じる建物でした。
このあと、高級住宅街と呼ばれる成城の住宅街を30分ほど歩きました。洋風な家、全国に展開する大手のメーカーの家、モダンなコンクリートの家など。様式、デザインは今、全国で起きている何でもありの家づくりが立ち並ぶ街なみでした。
注文住宅ですから住まい手の好きに建てる、もちろんそれはそれで仕方ないのですが、そこに地域性や街並みという意識はない状態が進んでいます。BSのふれあい街歩きという番組が好きでよく観ますが、ヨーロッパやアジアなど綺麗な街並みは同じようなリズムがあり、とても美しいと思います。同じリズムとは同じ屋根の素材、にたような縦長の窓の配置などと思っています。たまにはオランダのような原色の色使いの家もあるけど、何故か様になる。街並みのリズムというものを私は強く意識しているので、四角い豆腐のような家は狭小地でない限りつくらないと決めている。けど、四角い家は今、人気があるようです。このような世間とのずれ?に惑わされないように、日本の家と呼ばれるものだけを少し現代風にアレンジしながら家づくりを貫き通すとまた強い覚悟を決めて成城をあとにしました。
あなたの住む街は好きでしょうか?