この上ない春の陽気が続き工事も順調に進むようになりました。大雪による工事の遅れと2.3月着工の工事が重なり現場に出ることもしばしばでしたが、何とか今週でお落ち着きが出てきました。
2月上棟予定でした新発田市の平屋の家が来週上棟しますので、構造材を確認しに、先週久しぶりに村上市にある山北プレカット工場へ行ってきました。
すでに加工済の材料が整理され、出番を待っています。繁忙期ではこの広場が埋まるほど材料が並びます。
こちらが弊社の出番を待つ構造材。すべて新潟県の杉材です。弊社はできるだけ集成材や米松などを使わず、地産地消という意味合いで地元の材料を使います。当たり前のことでしょ。と思うかもしれませんが、実は杉は強度のばらつきの点、価格、品質などの視点からあまり使われていません。
こちらは他社の物件の米松という木材の構造材、アメリカの松という意味ですが、松の木ではなく、色が赤っぽく日本の松に似ているからこの名がついています。広島県にある中国木材という大手の会社が主に加工と出荷をしていて、強度も保証されています、杉よりは固いのでよく使われます。当社でも構造計算をしてどうしても杉では大きくなりすぎたり、NGが出た場合のみ使うことがあります。
こちらは集成材です。厚さ3センチくらいの板を接着剤で梁や柱に加工したもので、エンジニアリングウッドとも呼ばれます。ようは工業製品と同じ扱いです。木材は欧州アカマツやホワイトウッドと呼ばれる木が使われます。
工業製品なので、このような金物工法に使われます。
加工場の内部を案内していただきました。
こちらは梁を加工する場所です。木材は長いのでローラーで流しながら、機械で加工していきます。
こちらは束と呼ばれる屋根裏などに使われる材料の加工機です。
こちらは合板を敷くときに柱の場所を除いて加工してくれる機械です。加工無しだと、現場で加工しないといけませんが、先に加工してあると楽に床に合板を敷くことができます。
こちらは特殊な加工をしてくれる機械で柱を丸く加工してくれます。
透明な壁に囲まれた部屋は大きな梁などを加工してくれる機械で、最近導入したものだそうです。
工場を建てるのに使う梁で幅が60センチもある梁を加工していました。長さも8メートルもあります。
住宅では通常、幅が大きくても40センチ、長さは6メートルくらいが大きな材料です。それ以上の大きさの材料を加工してくれる機械です。
集成材はこのように品質表示がされます。
杉材でも県外ではしっかり強度試験をしたJAS規格や乾燥の基準を定め品質を確保している材料のあります。このことを県内の方にお聞きしましたが、費用面やなかなか目の詰まった強度のある材料が取れないとかそのような問題があります。だから使うのをやめる、というのは簡単ですが、そうすればますます林業が衰退していきます。山は海や農業にとっても大切な環境の一環ですので、人の手が入りることで整備され、よりよい環境が整います。この辺りの話は長くなるので割愛しますが、応援の意味でもこれからも使っていきます。
弊社では国が定めた杉がこれくらいもつであろうという強度で構造計算していますので、安心してお住まい頂けます。
古俣