いい天気が続き、モデルハウスの庭の梅の木が満開になりました。
コロナウィルスによる影響については、建築業界ではトイレや食洗機の納期が未定という事態になっています。早く終息することを願うばかりです。
今回はSNSで見かけた杉の山を持ち、杉の製材をしている杉岡さんという方のインタビューを読み、皆様に知ってほしくて書きます。
弊社では構造材、内外装に多くの杉材を使用します。前職では構造材では柱、あとは内装や外装の下地としてしか使っていませんでした。梁などは米松や集成材、内装はパインや米栂を多く使っていました。確かに杉は節と赤身、白身による見た目がうるさく感じ、和の雰囲気になる理由であっただろうと思います。良い悪いの問題ではなく、私は意識の問題だと思っています。
建材の杉の前にまず、杉といえば「花粉症」というつらい人には良くないイメージがあります。
花粉が空気を汚しているという感覚がありますが、これは誤解で杉花粉が綺麗な状態ではアレルギー症状は起きません。涙も鼻水も咳も、花粉の表面に吸着した化学物質の微粒子を体外に排出しようとしている反応だと思います。それからもう1つ。杉花粉はとても固い殻で覆われていて本来壊れにくいものです。ところが、鼻水に浸かると殻が壊れて、中にあるタンパク質が溶けだしてしまう。それが花粉症の引き金だとも言われています。でもその花粉も口で呼吸すれば、花粉の多くは鼻腔と気管支粘幕に入り、アレルギー症状を起こします。ところが、鼻呼吸をすると、花粉の多くは気道に入らずに消化器官へと流れます。腸に入れば免疫の自己破壊活動が起こらない免疫寛容になるようです。現代人はストレスなどにより口呼吸が増えている、そんなことも花粉症と関係があるのではないでしょうか。
杉材は特に床材に使うと効果的です。
弊社の杉の床材を使用した例です。
杉材は比重が低いので相本が冷えす温かいです。(傷は付きやすいです)調湿作用が高く、床に落ちたホコリに適度な湿気を与えて、再び空気に舞うことを抑えます。これは風邪にも効果があります。空中浮遊菌やウィルスは、人や物が移動するときにに舞い上がるホコリの中に存在しているからです。さらに、杉の香りに含まれる「セスキテルペン」という揮発成分が免疫活動にに好ましい影響を与えます。それが唾液に含まれる「免疫グロブリンA」を増加させるのではないかという研究報告もあります。人は1日に13.000リットルの空気を肺に入れています。空気も重さがあって、概算で17キログラムほどになります。飲み物も大切ですが、どんな空気を吸うかも大事になってくるのではないでしょうか。
6年目を迎えた杉の床材です。
弊社で使用している杉材のサンプルです。左が秋田県産で厚さ15ミリ、右側が宮城県産で厚さ30ミリ。お勧めは30ミリ。厚みがある分杉の柔らかさがよく分ります。
ただ単に、自然素材を使った家ですよ、というくくりだけにとどまらずとこのように具合的に良いお話があれば、またご紹介していきたいと思います。
古俣