昨日の夕方に久しぶりの大雨に打たれました。このところ続いた天気の良さとのギャップに、タイへ行った時のスコールを思い出しました。
今日は午後から新潟県木材組合連合会が主催している越後杉木造スクールという講義に行ってきました。
場所は西区曽和にある越後森林館です。釘を使わない方法で建てられたイベントスペースは地元の杉材をふんだんに使った建物で、設計者が大工に聞きながら図面を書いたらしいです。
講義は2回あり、最初は木構造住宅研究所主宰の三澤文子さんの講演でした。
三澤さんはJパネルという国産杉材を使用した3層パネル開発にも関わったかたで、住宅雑誌でも作品を拝見していまして、木の構造を素直に表し、表現されている方でお話を聞きたかったです。
今回は「木造建築病理学に基づく木造住宅改修方法~地域で活躍する住宅医の育成」という題での講演でした。
講演の様子です。
日本の民家にみられる木の良さを設計しながら、今後の可能な社会を構築するためには、
1.求められる地域材活用住宅
2.住宅の温熱環境の向上と高齢者対応・健康配慮の住まい
3.住宅医としての住宅改修
が必要だとして、実際の改修における調査の仕方、実例として3件の紹介、施工方法、そして、住宅医スクールという学校を開設し、その育成にも取り組んでいるということを聞くことが出来ました。
ここ数年、リノベーションという言葉を目にしたり、不動産のチラシも中古住宅の物件が多くなってきました。相変わらず新築住宅にスポットが当たることがおおいこの業界ですが、すでに家は余っています。街中の建て替えや空き地での新築はいいことだと思いますが、もう郊外に広がるような開発は止めてほしいと思っています。
また、近所で築60年くらいの家に住んでいる方でいつもメンテナンスでお世話になっている方がいます。その息子夫婦が家を別棟で建てています。お母様とお話しさせていただいたときに、本当はこの家を改修して孫も含めて一緒に住みたい要望があり、その会社に聞いてみたら古い改修は難しいと言われ、敷地内に新しく家を建てることにしたそうです。
私は別居なら仕方ないかもしれないと思いましたが、(私の家も同じような形で家を建てました。)同居であればやはり改修を私なら勧めると思いました。確かに、古い家の改修は難しいし、手間もかかるし、ある程度のものとなると金額もかかりますし大変です。ですから経験が少ない設計者、メーカーは新築を進めたがると思います。今お母様が住んでいる家は大きな丸太の梁を使っているような家で、それこそいわゆる民家です。改修すればちゃんと住めるように、しっかりと提案できるように、当社でも体制づくりも強化していきたいと思いました。