有限会社 丸正建設

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新潟風土記

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2016.07.16

「 ステージえんがわ 」

晴れたり、雨が降ったりと、ムシムシする気温で、いかにも梅雨の時期らしい気候が続きていますね。
もうすぐで2歳になる息子は水たまりで遊ぶのが日課のようです。

前回のブログで里山住宅博の内容をお伝えしましたが、その前に三条市にある市民のための広場「ステージえんがわ」
に行ってきました。

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今回は映像が少し悪いです。三条学校給食共同調理場跡地を整備して生まれた、町の交流広場を目的としてできた木造平屋建ての建物です。延べ床面積は277坪で総工事費は約1億3千万だそうです。内部はイベントのできる軒下空間と、三条スパイス研究所というカレーの食堂があります。

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単純にカレーを食べに、ということでなく6月25日にこの建物の設計した手塚貴晴さんの講演会がありました。講演会の内容はこの建物の設計のプロセスや手塚さんの過去の手掛けた物件の中でも、ターニングポイントとなった、屋根の家、屋根の上を子供たちが走り回れる「ふじようちえん」のお話もありました。幼稚園の話の中では、間仕切りを自分たちでつくるようなオープンな間取りの中で、自閉症の子供でものびのび育つお話が興味深かったです。誰もが見えないバリアーをもって生活しています。他人が近くに来たときに、ここまで近くにこられると嫌だなという距離感みたいなものがあると思いますが、自閉症の子はその距離が普通の人より遠いので、他人が近くにこようとすると自分の世界にはいってしまうことがはやく、敏感になります。仕切りの多い建物だと、自閉症の子の周りにはいつも誰かがいるような距離感になる。けどふじようちえんのようなところは、逃げようと思えば、逃げれる場所がいつもあるということが大事なのだそうです。

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講演会の途中の写真ですが、この建物の照明は手塚さんがよく使う、裸電球をさげたシンプルなものです。最近は照明といえばLEDが主になってきていますが、大事な場所はこの白熱球とつかうということ。やはり、LEDの波長は白熱とものと違うし、孵化する前の魚の卵にLEDをあてると、卵が孵化しない現象がおきる、LEDを使っても省エネにはならないなど、多岐に渡り、お話しされました。このように、手塚さんは建築の話だけでなく、色々な方面の話もされるので、最後まで興味を持って聞くことが出来ました。

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模型もありました。構造をそのままデザインになっている分りやすい建築です。屋根の高さも抑えてあります。

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実際の感じ。男性が写っていますが、その低さがお分かり頂けると思います。ちなみに地面から軒先の垂木の下で1m74cmでした。

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道路に面した軒先は腰を掛けることができるようになっています。

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スパイス研究所の様子。今回は時間がなく、カレーは次回に持ち越しです。

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椅子も全部ちがうものが用意されていました。

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引き戸の取っ手です。ディテールもしっかり測量。

手塚さんの講演を聞くのは2回目でした。1回目の講演の時に、自分の住宅は100%でないけれど、良いところを100%生かした住宅ですとおっしゃっていたのを覚えています。今回の建物も、力強い構造と、シンプルな平面構成で、縁側という要素を表した手塚さんらしい建物でした。