家づくりは居心地のよさの追求ともいえるのですが、灯りはとても重要な要素だと思います。
建築家 吉村順三さんが「僕らがほしいのは光りであって、照明器具でなはない」また、「灯りは低い位置のほうがいいね。床が明るくなって、重心が低くなり、部屋のかたちが良くなるんだよ」ともおっしゃっています。光はダイニングテーブルならテーブルを照らすだけの、ソファーに座ってほんを読むなら手元だけの必要なところだけあればいいと思っています。もちろん、演出も大事でしょうけど、よく見かける照明を置くために台をつくるようなアッパーライトの間接照明みたいなものは私は苦手です。
自宅のダイニングです。左に妻がいて恥ずかしいということで、少しアングルがずれていますがお許しください。
ダイニングテーブルはガラスでできたペンダント一つです。高さの上下を調整できる機能がついていて便利です。
リビングです。スタンドのランプを上に向けて間接照明としています。たまに、壁に向けたりして雰囲気を変えて楽しんでいます。
キャンドルもお勧めの灯りです。小さいお子さんがいるときは危ないので避けた方がいいと思います。
和室の灯り。昔の日本には行燈という素晴らしい照明がありました。そんな雰囲気で。
寝室です。壁のブラケット照明は調光できます。
テレビをみるときはテレビ台の後ろに置いた照明1台で十分です。目が疲れません。
こんな風になっています。
本を読むときはこのシェイドランプが使い勝手もよく灯りの度合いもちょうどいいです。
職業柄毎日見かける住宅見学会の案内や書店に並ぶ書籍を見る機会が多いですが、照明についてはまだまだこの考えが浸透するには時間がかかるなぁと感じます。作る側からすると、住まい手から暗いとクレームになることを避けようとします。また、平面図だけで考えてしまうと、たくさんの照明器具をつける傾向になります。必ず、展開図と合わせて考えないといけませんし、図面に寸法を落としていても、必ず現場で検討すべき事項です。LDKの写真でがたくさんダウンライトがついていたり、個室で天井に大きな照明1個ついているケースがよくあります。狭い水回りやホール、玄関では天井にはめ込むダウンライトを使うこともありますが、基本LDKや居室は天井に照明はつけません。部屋中を照らす天井の大きな照明もつけません。光は柔らかい雰囲気をつくらないと落ち着きません。家の完成時に必要最低限にして、照明は必要に応じて付け加えていくということは理解していただけるといいんですが。
つまり、作る側と住まう側に意識改革が必要だと思います。少し大げさになりましたが、ここで色々お伝えするよりもお勧めの本をご紹介します。
私も参考させて頂きました。
灯り一つで空間の雰囲気はすぐに変わります。そして感想をお待ちしております。
でも、ペンダントは比較的お店にあるけど、ほかに良い照明器具がなかなか近くのお店にないという壁にぶつかるかな・・・。