有限会社 丸正建設

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新潟風土記

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2017.06.29

「 人生フルーツ 」

6月30日まで公開の映画「人生フルーツ」を妻と一緒にみてきました。

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そう、愛知県に住まいの建築家として団地の設計に携わってきた夫とお料理好きの奥様のご夫婦のドキュメンタリー映画でした。

夫の津端修一さんは今住んでいる愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの計画を進める重要な立場にいらっしゃいました。1960年代にはじまる大都市計画でそこにもともとあった雑木林を残し、風の通り道としても残して建物の配置を考えた計画でしたが、国はそれを許可せず、かまぼこ型に建物もを並べただけの無機質な計画となりました。そこに自ら300坪の土地を買い、自然と共に暮らす生活を始めたのです。

自らの考えの貫くために行動するところが素晴らしいと思いました。

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取材が始まったのは夫 修一さん90歳、 妻英子さん87歳 野菜や果物の収穫やそれを使った手作りのジャムやソース、ベーコンを燻製したり、自転車に乗り軽快に外出する姿は本当に美しい姿でした。そして、食事中などの二人の会話は少ないけどとてもチャーミングな印章を受けました。

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家は師である建築家アントニンレーモンドの自邸を参考してつくった平屋で、ベッドもリビングの中にあります。野菜を70種類、果物を50種類以上つくっています。毎日とても忙しいと思います。映画では収穫や食べるシーンが多いですが、地味な作業が続く毎日。時に台風が木の枝を折ったりと苦労も多いはず。

高蔵寺ニュータウンで叶うことがなかった配計画でしたが、ここにきてある施設の新築工事に、修一さんの考えに共感した方が訪れ、雑木林をあちこちに作るという配置計画で老人施設だったと思いますが、夢が叶うという一幕もあり、これで映画も幕を閉じます。

とても穏やかだけと実は頑固な二人にみえました、でもお互いにゆるし、悪いことは言わないという暗黙のルールでバランスを取ってきたのだと感じました。
きっと皆が一度は考える憧れの暮らしがここにあるのではないでしょうか?
人間らしさとはなんだろう、この時間に追われ、便利と効率に惑わされているのではないかと考えさせられたとてもいい映画でした。

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著書の4冊ありましたが、この本を読んでみたいと思います。